脱水症状へのアドバイス


Q.1 脱水の可能性があるときの対応を教えて下さい。

A.1 軽度の脱水の場合は口から補う方法(経口投与)で対処できますが、高度の電解質異常を伴うと思われる場合は、速やかに医師の診察を受けて下さい。


経口投与の対処法方

【1】 水分欠乏性脱水(水分摂取不足、腎性水分喪失、腎外性水分喪失)
軽度の脱水の場合(自宅で口から):少し濃い目の塩水(コップ1杯に約1gの食塩)をコップ1〜2杯/時を目安に、尿量が30mL/時になるまで。以後は薄めの塩水(コップ1杯に約0.5gの食塩)をコップ1杯/時で投与。スポーツドリンクの類でもよいが、いずれも電解質濃度が低いので、多用すると低Na血症になる危険性がある。
【2】 Na欠乏性脱水(腎性Na喪失、腎外性Na喪失)
軽度の脱水の場合(自宅で口から):与える塩水の濃度は水欠乏性脱水と同じでよい。スポーツドリンクの類は電解質濃度が低いので、低張性脱水には不適であり、食塩を加える必要がある。

参考:経口補水療法
経口補水療法とは、嘔吐や下痢、発熱によって失われた体内の電解質や水分を、塩分と糖分が適切な割合で混ざった飲料(経口補水液)で速やかに補うという治療法である。下痢や大量の発汗などで多量の水分と電解質を失ったときに使用される。ユニセフ(UNICEF)では,発展途上国などの子供に対して経口補水療法を行うことを推奨している。
経口補水液の使い方
経口補水液の塩分と糖分のバランスは点滴に使われる輸液とほぼ同じなので、弱った体に負担をかけないよう、冷やさずに少量ずつゆっくり時間をかけて飲ませること。経口補水液のおもな働きは水分と電解質の補給なので、補水液の後、様子をみながら栄養分も摂るようにする。
経口補水液の注意点
経口補水液は薬ではないが、体への影響が大きいので使い方に注意が必要である。心臓、腎臓、血圧などの病気で塩分の摂取を制限している時には、医師や薬剤師に相談してから利用する。高濃度のナトリウムイオンが入っている経口補水液では、薬などでコントロールされている電解質のバランスを乱してしまう可能性があるので注意が必要である。
家庭でできる経口補水液(ORS)の作り方
1Lの湯冷ましに3g(小さじ1/2杯)の食塩と40g(大さじ4杯)の砂糖を溶かす。レモンやグレープフルーツなどの果汁を加えると飲みやすくなり、カリウム補給にもなる。


軽度の脱水(体重の減少が3〜5%)
4時間以内に経口補水液(体重1kgあたり30〜50mL)を飲ませる。
嘔吐がなければ、下痢をするごとに体重1kgあたり10mLの経口補水液を飲ませる。
嘔吐した場合は目分量で嘔吐した分くらいの経口補水液を飲ませる。
中等度の脱水(体重の減少が6〜9%)
4時間以内に経口補水液(体重1kgあたり100mL)を飲ませる。その後は軽度の脱水と同じように対処する。


Q.2 薬局ですすめられる経口補水液とその他の飲料の違いについて教えてください

A.2 経口補水液とイオン飲料、ジュース類と比較しますと、浸透圧、電解質、糖質が異なっています。イオン飲料は、経口補水液より糖質が若干高く、ジュース類は浸透圧が高く、Naが少なく、糖質が高いようです。したがって脱水症状には、経口補水液を飲ませることをお勧めします。

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