味覚障害のアドバイス


Q.1 味覚障害の原因を教えてください。
A.1 大きく分けて、

  1. 食事性と薬剤性の味覚障害(亜鉛欠乏症)
  2. 全身疾患等による味覚障害
  3. 口腔の病気による味覚障害
  4. 心因性味覚障害

があります。それぞれについて簡単に解説します。

【1】食事性と薬剤性の味覚障害(亜鉛欠乏症)

食事性 キレート作用(配位子が金属イオンをはさむようにして錯体を形成する)の強いポリリン酸やフィチン酸が繁用されている加工食品(ファーストフードやコンビニの弁当など)の増加、偏食、ダイエットなどによる亜鉛不足。
アルコールの飲みすぎ。(体内では飲酒後、アルコールを分解するために亜鉛が多く使われる。)
薬剤性 キレート作用を持つ薬剤(降圧薬、脳循環改善薬、抗腫瘍薬、抗うつ薬など)の長期連用・併用。尿からより多くの亜鉛が排泄されるために亜鉛不足となる。

味覚障害を起こす可能性のある薬剤の例

利尿剤 フロセミド(ラシックス)など
降圧剤 ACE阻害薬(カプトリルなど)
抗パーキンソン薬 レボドパ(ドパストンなど)など
抗うつ剤 ノルトリプチリン塩酸塩(ノリトレン)
アミトリプチリン塩酸塩(トリプタノール)
ミルナシプラン塩酸塩(トレドミン)など
精神安定剤・睡眠薬 トリアゾラム(ハルシオン)など
鎮痛剤 ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)など
抗がん剤 フルオロウラシル(5-FU)、メトトレキサート(メソトレキセート)、デガフール(フトラフール)、テガフール・ウラシル(ユーエフティ)など
肝疾患治療剤 チオプロニン(チオラ)など
抗アレルギー剤 メキタジン(ニポラジン)、ケトチフェン(ザジテン)など
抗甲状腺剤 チアマゾール(メルカゾール)など
痛風治療薬 アロプリノール(ザイロリック)
抗生物質 ミノサイクリン塩酸塩(ミノマイシン)など
抗てんかん剤 カルバマゼピン(テグレトール)など
高脂血症剤 ベザフィブラート(ベザトールSR)など

【2】 全身疾患等による味覚障害
糖尿病や腎不全・ネフローゼ・透析、肝不全・その他の肝疾患、鉄欠乏性貧血・溶血性貧血、甲状腺疾患、膠原病、シェーグレン症候群、腫瘍などの全身疾患。
妊娠や火傷。
頭頸部腫瘍に伴う放射線治療や末梢神経障害(味覚を感じる顔面神経などの障害)或いは、脳腫瘍、脳血栓などの病変による味覚中枢障害など。
【3】 口腔の病気による味覚障害
舌炎・舌苔・口内乾燥(シェーグレン症候群・加齢による唾液分泌低下など)、風邪でおこった咽頭の炎症、咽頭の病気や嗅覚障害からも味覚障害をおこすといわれる。
【4】 心因性味覚障害
うつ病・精神的ストレスなどが原因で起こることがある。抗不安薬や抗うつ薬の服用による薬物が原因となっていることもある場合もあるので注意。

Q.2 亜鉛を多く含む食品について教えてください。

A.2 以下の表を参考にして下さい。


亜鉛を多く含む食品

食品名 亜鉛含有量
mg/100g
目安となる
摂取量(g)
目安となる
亜鉛量(mg)
牡蠣(養殖、生) 13.2 むき身1個(約10g) 1.3
かつお(塩辛) 11.8 大匙1杯(約17g) 2.0
パルメザンチーズ 7.3 大さじ1杯(約6g) 0.4
豚(肝臓、生) 6.9 1切れ(約30g) 2.1
たたみいわし 6.6 1枚(3g) 0.2
たらばかに(水煮、缶詰) 6.3 1缶(約100g) 6.3
炒りゴマ 5.9 大匙1杯(約9g) 0.5
するめ 5.4 中1枚(約100g) 5.4
凍り豆腐 5.2 1個(約20g) 1.0
湯葉(干し) 5.0 1枚(約15g) 0.8
湯葉(生) 1枚(約30g) 0.7
わかさぎ(佃煮) 4.4 1尾(約3g) 0.1
牛(ひき肉、生) 4.3 大匙1杯(約15g) 0.6
卵(卵黄、生) 4.2 中1個(約18g) 0.8
ローストビーフ 4.1 1切れ(約40g) 1.6
毛がに(ゆで) 3.8 1杯(約500g) 19.0
バターピーナッツ 3.1 1カップ(約125g) 3.9
からしめんたいこ 2.7 中1腹(約80g) 2.2
ホタテ貝(貝柱) 2.7 1缶(125g) 3.4
うなぎ蒲焼 2.7 一串(約100g) 2.7
糸引き納豆 1.9 1パック(約40g) 0.8
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